Adding A Title
空を見上げれば、そこには煌めく輝きが雪のように舞い散っていた。
あるいは、あれこそ伝承に聞く”鏡”の破片なのであろうか。
この世界は、恐らくもう終わりだ。
空は赤く遠ざかり。
地には白き者たちが跋扈し。
海もきっと、全てが枯れ果てた。
22の詩編に謳われていた滅びの時である。
――あの男、結局約束を守らなかったな。
私が困っているときに限って笑う優男の顔を思い出し、私はそれを真似して口元歪めた。
そうすれば、いつもアイツに守られていた私だって、強くなれる気がしたのだ。
こうやって私が頑張るときに限っていないのは、本当にアイツらしい。殴り飛ばしたくなる。
木々さえ揺らして遊ばせる風に逆らいながら、私は一歩ずつ歩を進めていく。
目標地点は700m先。
7つの塔の残骸、その中央に屹立する『希望にして絶望の塔』である。
あそこに収められた2つの秘宝を手に入れなければ、未来はない。