【FGO】モルガン母子に幸せになってもらいたい
妖精騎士トリスタン。
実装直後はその容姿と言動から「メスガキ」と称された彼女は、アヴァロン・ル・フェ前編においても事前評価通りの立ち振る舞いを見せてくれた。
前章で猛威を振るったベリルの悪行がややなりを潜めていたこともあり、そのヘイトは彼と行動を共にする彼女と、彼女を甘やかして育てたという母親のモルガンに向いていたように思える。「妖精殺し」「血の踵のトリスタン」という二つ名はいかにもなもので、殺戮劇場という存在もそこを補強した。
そしてまぁ、憎さ余って何とやらとでも言うのか。そのヘイトはマスターたちの嗜虐心をも同時にくすぐることになり、俗に言う「分からせ枠」というところで彼女の立ち位置は定着しつつあった。メタ的なことをいえば、主人公たちに必ず負ける役どころである。無邪気に他者を卑下するその言動は、最終的には天罰としてその身に返っていくのがセオリーだ。その逆転劇がいつ起こるかと楽しみに物語を追っていたのは、ぼくだけではないだろう。
続く後編においても、彼女へ抱いた期待は裏切られなかった。
彼女の役どころはそのまま、いやむしろ着実にフラグを積み重ねていくことで「分からせ枠」として更なる進化を果たしていた。
ベリルの策略に乗ってその身を転落させていく様は滑稽としか言いようがなく、その愚行に目を覆いたくなったところも、なくはない。
しかし、それもまた因果応報である。彼女が迎える結末は彼女自身の行動が招いた結果であり、同情の余地こそあれ、それも所詮は余地にしか過ぎないのだ。
第24節モルガン。妖精國を治める女王を巡る全ての真実がつまびらかになるまでは、そう思っていた。
そんなのありかよ。みんな思った。ぼくだってそう思った。
全ては奈須きのこの掌の上だったわけである。おのれ菌糸類!
まさか妖精國自体が妖精騎士トリスタンことバーヴァン・シーの実態を隠す環境となっており、終局に至るまでが壮大な斜術トリックとなっていたとは予想もしていなかった。そして、女王モルガンが娘と称したバーヴァン・シー に対して本当の愛情を抱いていたとは、つゆにも思っていなかった。
全ての真実が明かされたとき、心身を震わせるしかぼくには出来なかった。全ての前提を覆して物語の全貌を変えてしまう手腕、実に見事と感服するしかない。
多くのマスターたちがそうであったように、 バーヴァン・シーとモルガンに対する感情は完全に反転していた。
全てが救われるとは思わないが、それでも、である。
FGO第2部第6章アヴァロン・ル・フェの追加エピソード公開が迫っている。
多くのマスターがその心に傷を負った後編から3週間。血染めの冠を頂いた冥府の神は、何を成すのだろうか。
願わくば、あの母と娘の終わりが少しでも報われることを。