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スカーレット・ヨハンソンのディズニー提訴について

米女優のスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)さんが29日、主演したマーベル(Marvel)映画『ブラック・ウィドウ(Black Widow)』の劇場とストリーミング配信での同時公開は契約違反に当たるとして、マーベルの親会社ディズニー(Disney)を相手取り、ロサンゼルスの裁判所に提訴した。ディズニーの決定により巨額の損失を被ったと主張している。

afpbb.com/articles/-/3359213

 マーベル作品でブラック・ウィドウを演じるスカーレット・ヨハンソンがディズニーを提訴したらしい。
 映画『ブラック・ウィドウ』公開して間もないこのタイミングで何故?と思ったのだが、どうやら映画公開間もないタイミングだからこそ起こった騒動だと言える。


 映画『ブラック・ウィドウ』は本来の公開予定日である2020年5月1日から大きく後ろ倒しにあい、最終的な映画館上映は1年以上先の2021年7月8日になされることとなった。新型コロナウィルスの感染拡大により、大都市の映画館が多数閉鎖された影響である。無事公開されたのは喜ばしいことではあったが、別の問題があった。


 新型コロナウィルスにより劇場公開に影響が出た作品は、もちろん『ブラック・ウィドウ』だけではない。2020年3月に公開予定だったディズニー映画『ムーラン』もその一つだ。新型コロナウィルスの感染拡大がとどまらないことを受け、『ムーラン』はアメリカや日本を含めた国で劇場公開を中止し、ディズニーの定額制動画配信サービス『Disney+』のみでの配信を行う方針を決めた。この方針変更については映画館界隈から大変批難され、割とネットニュースでも扱われたので覚えている人も多いのではなかろうか(参考:https://theriver.jp/mulan-dplus-backlash)。


 『ブラック・ウィドウ』 については予定通り劇場公開はされたものの、公開翌日すぐに『Disney+』での配信が開始された。プレミアムアクセスという形式で追加料金2,980円(税込3,278円)が必要なため決して安くはない金額だが、それでも新型コロナウィルスが流行する今であれば 『Disney+』 での鑑賞を決めた人も少なくはないのだろうか。実際、

 スカーレット・ヨハンソンはディズニーとの契約で映画の興行収入に比例する形で報酬を受け取るようになっていたようだ。 『Disney+』 での即日公開は本来の契約には当然なかったはずで、 配信方式追加による報酬減少を問題として今回の提訴に踏み切った、というのが今回の流れである。
 念のためではあるが、 『Disney+』 からの鑑賞についても報酬は渡されるようになってはいるようだ。

これに対しディズニーは、ヨハンソンさんの訴訟にいかなる価値もないと反論。広報担当者が声明を出し、ヨハンソンさんとの契約には完全に従っているとしたうえで、「ブラック・ウィドウ」をディズニー・プラスの「プレミア・アクセス」によって配信することでヨハンソンさんには追加の報酬が発生する仕組みになっていると強調した。

https://www.cnn.co.jp/showbiz/35174588.html



 今回の騒動についてだが、ストーリミング配信が一般的になってきた現代、起こるべくして起こった問題だったように感じる。ディズニーが開始したストリーミングサービスも、いくつかの形を経て『Disney+』 という完成形へと至った。自社のプラットフォームを活用していくのは必然であり、 映画の興行収入に比例する形での報酬を経ている俳優の誰かしらが、いずれはこの問題に直面していたはずである。 そのお鉢が回ってきたのがスカーレット・ヨハンソンだったにすぎない。

 そして、彼女だからこそ声をあげられた現実はあるだろう。下手なキャストであったなら、報酬に対する反発すら許されず、もみ消されてしまっていたかもしれないからだ。彼女が報酬体系にメスを入れたことで、業界でも適切な相場が形成されていくのではないだろうか。知名度トップのディズニーである。俳優に対して誠実的な対応をし、今後変な軋轢を生まないようにした方が確実に良い。

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