Vtuberへのプレゼントが全面的に禁止される?
有名人のライブや誕生日等にプレゼントを送るファンは多い。
それはVtuberのような、インターネット上で活動するアイドルにおいても例外ではない。ファンから贈られたプレゼントは事務所を経緯してVtuberの元へと送付されるわけだが、プレゼントの開封光景をライブ配信してファンたちと楽しむという光景が、定番といって良いくらいには定着している。
しかしながら2021年7月下旬現在、ホロライブVtuberへのプレゼントが禁止されるかもしれないという情報が出てきており、少し話題となっている。
Vtuberの配信から推測するに、どうやらAppleが発売しているAirTagがその原因となっているようだ。
–AirTagとは-
AirTagは2021年4月から発売しているスマートタグである。
大きさは直径31.9 mm、厚さ8.00 mmとだいぶ小さく、重さも11gしかない。
Bluetooth信号を送るこのタグをあらかじめ財布やカバンの中に入れておけば、紛失したとしてもタグの場所を特定するアプリで容易に見つけ出すことができる。もちろん家の中といった身近な場所にはとどまらず、遠く離れた場所にあってもその効果を発揮できるようだ。
物をなくしがちな人にとっては便利なアイテムではある。のだが…
タグの場所を特定するという機能を悪用し、Vtuberの住所を特定しようと試みる悪質な人物を想定するのは、とても自然な発想であろう。
スマートタグ自体はAirTagが登場する前から発売されているものだ。
ではなぜ、AirTag登場以降に注目されているのか。
それはAirTagの検出能力が高いということ、そしてappleの商品であることがその理由が推測される。
-“Apple”の商品であるがゆえに-
AirTagの信号検出は、iPhoneを始めとしたMacデバイスのネットワークを利用して行われる。
iPhoneのシェアは毎年50%前後をキープしており、少なくとも日本においてはAndoroidとスマートフォン使用率を2分している存在だ。
理屈の上ではMacユーザーが少なくなればなるほど検出能力は低くなるが、今の日本においてそうなることは考えづらい。
将来に渡って一定の検出能力を維持し続ける以上、恒常的に住居特定の危険を孕む。リスクはあまりに大きい。
タグを配置した月曜日の午前9時から30分以内に、iPhoneにAirTagの近くを通ったiPhone(他のユーザーのiPhone)から、AirTagの現在地を知らせる通知が届きました。しかしその通知が示す場所はAirTagを置いた場所と平行に走る別の道路でした。
その後も1日を通じて、その間違った場所が13回通知されました(AirTagは移動していません)。とはいえおおよその場所さえわかれば、超広帯域テクノロジーによる「正確な場所を見つける」機能を使うことで問題なく発見できる、と同メディアは記しています。
AirTagは30分、Tileは12時間〜遠方にある紛失物を探す実験を実施
https://iphone-mania.jp/news-366860/
また検出能力も高く、大体の場所を特定するという意味では十分な能力を持つ。
そして、iPhoneを利用しているVtuberは多いはずだ。
動画投稿からライブ配信が主体になっている現在のVtuberにおいて、その表情がリアルタイムかつ豊かに移り変わることは強い武器となる。無表情のままでいるより、笑ったり泣いたりする姿の方に親近感を覚える人の方が多いはずだ(もちろんいないとは言わない。無表情キャラ、ぼくも好きなので)。
そうしたことを踏まえると、VtuberがiPhoneを使うメリットはとても大きい。
なぜなら、3D顔認証を持つiPhoneは、2D顔認証のAndoroidに比べて表情認識の精度が極めて高いためだ。
Vtuber活動を行う上でそのアバターは必須となるわけだが、アバターにスムーズな表情変化を持たせるなら、上記理由によって現状iPhone一択となる。それはイコール、AirTagでの場所検出に引っ掛かりやすくなる可能性が上がるということでもあるわけだ。
-Vtuberへの応援手段-
チャンネル登録者100万人ともなれば、贈られるプレゼントも段ボール箱1個や2個ではきかなくなる。
全てのプレゼントについて事務所側で事前チェックするにも限界はある。AirTagのサイズはとても小さく、探し出すのも至難の業だ。おそらく、今回の件は物理的なプレゼントを全面的に禁止することで話はまとまると予想される。
ホロライブに関わらず、この動きは業界全体に波及するだろう。悪質なことを考える輩はゼロではなく、一人でもいれば甚大な被害をもたらしかねない。
とはいえプレゼント全てが禁止されるわけではない。
手紙や色紙などはこれまで通り贈ることは可能であろうし、Vtuber側からどういったものなら大丈夫かアナウンスもされるだろう。彼ら・彼女が望むものを贈ってあげれば、これまで通り喜んでくれるはずだ。