コミケ99の開催
2021年8月2日。コミックマーケット99が年末開催予定である旨の告知が準備会から行われた。
新型コロナウィルスの影響によって長らく延期が続いていたコミックマーケット。オタクたちの夏や冬の風物詩といってもいいこの大型イベントは、順調に事が進めば2年ぶりに開催されることになる。そこから先の記念すべきC100も、ようやく視野に入れることができるようにはなった。しかし、新型コロナウィルスを巡る状況は東京オリンピックを経て改善するどころか悪化する一方で、この開催について疑問視するサークル主も少なくはない。
当然、コミックマーケットも今の日本における状況は正しく認識している。
こうした中、いまだ多くの不確定要素が残っており、感染拡大も続いている状況ですが、サークル申込や配置など様々な準備の期間を考えると、2021年冬のコミックマーケット99(以下「新C99」とします)の開催に向けて、今、動き出すことを発表させていただくべきと考えた次第です。なお、ワクチンの接種が普及することによる効果を見つつ、新C99の開催可否を検討してきましたが、ワクチンの効果が現れてきたのを確認できた時期に感染が急速に拡大してしまったため、C99開催発表のタイミングがこのような状況になってしまったものの、数ヶ月後の開催時期には社会状況の改善が見込まれるとの認識に基づき、発表しております。
https://www.comiket.co.jp/info-a/C99A/C99ANotice1.html
コミックマーケット準備会は現状を踏まえた上で、ワクチン接種により好転した先を見据えて今回の告知を行ったわけだ。実際、ワクチンを接種した年齢層において、新型コロナウィルスの陽性率は目に見えて下がっている。2021年8月現在ではワクチンを打てない人も、現在予定しているコミックマーケット99の開催日までには接種を終えていると考えれば妥当な予測と言える。
もちろん、ワクチン接種をしたからといって新型コロナウィルスの発症や感染が抑えられるわけではないことは、周知のとおりだ。準備会が呼びかけているように、全ての参加者が感染予防策を取る必要はある。検温などの体調管理、緊急時の連絡先の登録、マスクや手指の消毒が会場においても欠かせないこととなるだろう。
しかしウィルスという性質上、感染を完全にゼロにすることは不可能である。そこを目指すと全てのイベントは開催することは不可能になるし、あらゆる対面接触を含む活動は禁じなければならない。同人誌のオンライン販売もすっかり浸透した昨今ではあるが、オフラインでしか出せない作品というものも間違いなくあるのだ。
あるいは、会場でたまたま出会った本だからこそ入手したという思い出は、コミックマーケットの参加者であれば大体の人が身に覚えのあることではないだろうか。オンライン販売は目的物がはっきりしている上での購入が多く、この手の経験がほとんど発生しないのを私は身をもって体験している。お財布的にはよろしいことではあるが、あの特有の出会いを失わせてはいけないとコミケに参加し続けてきたオタクとしては思ってしまうのである。
コミックマーケット99の開催は8月19日~27日(決済は26日まで)となっている。
積極的な参加が促せない環境下なのは残念だが、準備会の注意文を読み込んで参加しなければならないという部分は平時と変わらない。参加に興味のある人は、諸注意を守ったうえで申し込んでみるのをお勧めする。